今年度の講座について

本年度の履修は目先の利益に目がくらんで大失態を犯してしまった気もするがそれはともかく。

2006年度のHTML講座が始まる。それにあたり、4月上旬現在の私の考えをメモしておく。

我々がWWWと接するとき、そこでの立場は2つある。それは、利用者(User)としてと、制作者(Author)としてである(もっとも、このようなアプローチの仕方は既に前時代的なものかもしれないが。例:wikiなどCMSの登場)。そして、コンテンツを作成する場合、ユーザーの視点に立つことは必要不可欠であると言える。すなわち、優れた制作者を目指すのであれば、同時に優れた利用者である必要もあるということである。

昨年度はHTMLおよびCSSの仕様に基づいた解説のみを行った。つまり、制作者視点に限定された講座であったように思う。今年度は、これに加えて利用者視点からの講座も行いたい。

そもそも、WWWにおいては、制作者の全てが利用者としての最低限の知識を身につけているというわけではない、という実態がある。そのようなサイトは、致命的な問題を抱えていることも少なくない。技術的な問題はBlogの普及などで表には出なくなっているものの、依然として内在していることは間違いない。

Web2.0などと総称されるサービスが登場し、その多様化が爆発的に進んでいる現在において、上手に情報を入手できるかどうかは、ユーザー間での格差が出始めているように感じる。例えば、Googleという検索エンジンは知っていても、それが持つ多種多様な機能を使いこなせるかどうかでは、得られる情報の量も質も違ってくるかもしれない。また、Wikipediaというサイトを知っているだけでも、検索にかかる時間を大幅に短縮できるだろう。

それぞれのプラットフォームと不可分なインターフェースを提供することにより、WWW上におけるコンテンツがより直感的に操作できるようになる、というのがWeb2.0の一面である。しかしその一方で、サービスの多様化が急速に進んでいることと、検索エンジンにおけるGoogleやYahooのように、定番化したサービスがまだ少ないということがあり、逆にユーザーの混乱を招いているようにも見える。これが、ユーザー間の格差を生む理由であると思う。

多くのユーザーから支持されるコンテンツは、(一般的には)優れている。そこからは学ぶものも多い。

これらの理由から、「賢い利用者になるための講座」は、制作者を目指すうえでも有益であると考える。

もちろん、時間の制約はある。前期は、せいぜい13回の講座が限界だろう。

とりあえず、要望を取り入れながらやっていきたいと思う。若い世代に期待したい。