昨日(2005-04-26)VB講座を担当していた私ですが、本日も講座を受け持っていたりします。その名も「HTML講座」。これは、前の世代から講座を引き継ぐという形式ではなく、私自らが進言して設立した新講座です(今から5年くらい前には存在していたという未確認情報もありますが、少なくとも現メンバーの世代では存在が確認できないため、事実上の新設であると思われます)。まあ、ここで公開されている文章を読んで頂ければお察し下さると思われますが、私はWWW関連の技術に深い興味を抱いており、初めて本格的に研究した言語の一つがHTMLでありますから、かなり自分の趣味が反映された講座になることでしょう。
VB講座では資料の作成及び配布をしたにもかかわらず、あまり講座の流れを掴めなかったというか、何を話したらいいのか、どの順序でどの言葉を使って話したらいいのか、この言葉は適切だろうかなどと、かなりの場面で悩みながらの進行でした。しかしながら、今回は自分のホームグラウンドだというか、ほとんど毎日のようにWWW技術関連文章を閲覧してまわり、自身もサイト運営(特に妹研究会公式サイト運営)という形で接している分野ですから、本筋から逸れた関連技術の話題や、具体的な例などを挙げつつも、全くネタに困らなかったわけです。とはいえ、話すことが多くなると、今度は講義時間という枠に当てはめるのが困難になるわけで、数十分ほどオーバーしてしまいました(ごめんなさい)。また、資料を全く用いずに進行する講義、悪く言えば行き当たりばったりの授業なので、あとから振り返ってみると結構な見落とし部分があったりと、まだまだ改善の余地はあるように思われました。幸い、講義ノート(というと何か格好良い…かも)をリアルタイムで記録し続けてくれていた人がいたので、それを参考に次回以降の講座の予定を立てられたらなぁ、などと考えております(他力本願)。
ところで、私が本日話した内容は大体次の通りであると思われます:

HTMLは「マークアップ言語」であること
よく見かける言い回しによれば「まず文章ありき」ということを解説しました。「あなたは何という言語を用いてホームページを作成していますか?」という問いかけは、自戒の念も込めてのものです。
なぜ「テーブルレイアウト」は批判されるか
HTMLが持つ二面性、すなわち論理的マークアップと物理的マークアップについて解説しました。文章が本来持つ要素をマークアップしていくと、物理要素が(ほとんど)登場しないことに気付いてもらえたら、と思います。
HTML4.01で定義済みの要素について
論理的マークアップをする際、仕様上どのような要素が想定されているかを、仕様書で用いられている語句をもとにざっと概説しました。が、BDOやSCRIPTなどはともかく、重要な要素の一つである「引用」について解説するのを忘れてしまいました…。
まあ、こんな感じの話題です。講座を受けてくれた後輩は進行スピードに戸惑いを感じていたようでしたが、それでいいと思います。何回も反復していくことによって、また自分でマークアップという作業を経験することによって、自然と身に付いていってこそ、本当に理解することができるのではないかと私は考えておりますので。ですから、次回は論理的マークアップについて復習と補遺を兼ねた話から入り、次に「論理性」と「視覚効果」、すなわち「HTMLとCSSの関係」みたいな感じの話題を振っていこうかなと考えております。
このように、他のプログラム講座と違って論理面での教養(という表現は好ましくないでしょうが)を身に付けていってもらうのが本講座の目的ですが、もちろん実際のサイト運営の手法などについても話題を提供していきたいと考えていたりします。予定表は、大体以下の通りになります:
HTML講座I
上記のように、HTMLやCSSなどの仕様について概説していきます。基本的にはブラウザの実装状況などの現実的な話題よりも、理念をまず第一に考えて話を進めていこうと思います。また、関連仕様(文字コードやサーバー側での処理の仕組みなど)も併せて解説していきたいです。
HTML講座II
HTML講座Iで身につけた知識などを前提として、実際のサイト運営について、極めて現実的な視点から解説していきたいと思います。具体的なサイト運営の方針を考えた上で、どのようにそれを実現していくかを考えます。いわゆるSEO対策や、サイト構造の構築などについてお話しすることになるでしょう。
HTML講座III
HTML講座IIに対して、こちらの講座は技術的側面からのHTMLを、HTML講座Iよりも詳しく解説したいと思います。例えば「HTML講座という名称は適切か」「HTMLとUserAgentの歴史的関係」などの話題です。また、DTDなどHTML講座IIで扱わないであろう話題も取り上げます。
HTML講座IV
最近、浸透が目に見えて著しくなってきた、XMLについての話題を扱います。主に、HTML(SGML)との比較によって導入部を進め、次第にXSLTXPathなどの関連仕様に言及していきます。しかしながら、この講座は開講するのが早くても来年以降になると思います…。
HTML講座V
XMLを用いたデータ処理を、実際のサイト運営にどういった形で生かせるかについて解説していきたいと思います。ここではHTML及びXML(とその関連仕様)に関する知識を大前提とし、DOMやSAX、PHPなどの解説をしていくことになるでしょう。ただ、永遠に開講されないと思われます…。
とまあ、こんな感じの予定を考えております。
何か行き当たりばったりになりそうな予感の拭い切れないHTML講座ですが、一年間よろしくお願いいたします。