今日は一般教養の授業で参加者の抽選が行われました。先週(2005-04-15)の文章に書いてある授業です。そもそも、私はこの授業に参加しようとしたきっかけは、同じサークルの人に誘われた(教えてもらった)からというのに加え、この授業の最初のテーマが「ユビキタス社会とは?」というものだったりして、私の大学の授業にしては珍しく横文字を大々的に使っていたことに興味を引かれたからだったりします。とはいえ、それほど参加する意思があったかどうかは怪しいもので、とりあえず見に行ったら参加する羽目になってしまった、というのがより真実に近い気もします。
それで、今日は参加者をくじ引き(?)によって選ぶ事になりました。当選者を先生が読み上げて、呼ばれたものから着席し、その人は授業に参加する権利を得るという感じでした。本当は30人程度の参加枠しかなかったのに、最初の授業で90人以上が来たため、急遽参加者枠を60人に増やしたということで、倍率は1.5倍くらいだったようです。この授業中、私は激しい眠気に襲われていたため、夢現の状態でぼーっとしていたのですが、呼ばれてしまったために睡眠を中断されてしまったような気持ちで指定の席に向かいました。実際、呼ばれてしまえばあとは気楽な感じで、今度こそ夢の世界に行けるという気がしていたりして、実にのんきなものです。が、ここで重大なことに気付きました。私をこの授業に誘ってくれた人が呼ばれていなかったのです。
この先生の当選者読み上げによる第一次抽選の枠は50人で、ここで呼ばれなかった者や先週の授業に参加していなかった者は、第二次抽選にまわされるということになりました。ここで彼が何とか枠に入れるように私は祈りつつ、どんな選抜方法なのかと様子を見ていたのですが、どこかのサイトにアクセスして、CGIで組まれたジャンケンで勝負し、勝ったら当選、負けたら帰れ!みたいな感じだったようです。先生は「コンピュータと勝負してもらいます」と言っていましたが、この場合の対戦相手はCGIを動かしているサーバーを指すのが適切だろうか、などと考えていました。
始まってしまえば簡単なもので、「ぐー」「ちょき」「ぱー」というボタンをクリックしてクエリをサーバーに渡すだけで勝負は決するので、どんどんと選別が行われていきました。やっていることは非常にシンプルなのですが、その光景はなかなかにして無機的というか残酷というか、「持てる者」と「持たざる者」がスクリーン上に映し出された文字列によって決められてしまうわけで、ゲットーから強制収容所に送られたユダヤ人の中からガス室に送る者を選び出す作業と重なって見えた、というのが正直な感想です。これはきっと、対岸の火事を見つめているのと同じようなものだったでしょう。先生のリアクションも「あー負けちゃったねー」「コンピューター強いねー」という感じなので、アフリカの内戦で地雷処理作業として捕虜の子供に地雷原の上を歩かせる将校が、「あー踏んじゃったねー」と言っているような光景と、重なって見えたような気がしないでもなかったです。
そんな酷い妄想を膨らませながらしばらくすると、同じサークルの人の番が回ってきました。誘われた人間が授業に参加できて、誘ってくれた人間が参加できないというのは、かなり無情な仕打ちに思われたので、必死でCGIプログラムを処理しているサーバーに『「勝ち」の返り値を返してくれ!』と祈っていました。ですが、送られてきたソースコードレンダリングしたIEを映しているスクリーン上には、「まけ」の文字列が…。途端に、この授業の技術レベルが格段に低下したようなイメージが私の中を駆け巡り、とても申し訳ない想いが心の中を満たしていきました。
来週に、もう一度履修者の選別が行われるそうなので、是非とも彼には参加してもらいたい、素直にそう思います。